【映画・ドラマ】「知った」こと。
映画やドラマを見ていると、新しく知る世界がたくさんある。
映画やドラマをきっかけに「知った」ことが、時に私を肯定してくれたり、ハラハラしたり、モヤモヤさせたりする。これが醍醐味と言えば醍醐味なのだろう。それでたとえ、悲しいほどにモヤモヤさせられても、私はきっと見ることは止められないだろうなとも思う。
と、ということで、久しぶりに、文章を書きたくて見た作品をまとめて頭を整理しようと思いこれを書きます。
- 「恋せぬふたり」
- 「僕の姉ちゃん」
- 「怪物」
- 「霊魂修繕工」
- 「メロが体質」「検索ワードを入力してください:WWW」
- 「来世ではちゃんとします」
- 「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」
- 「カムカムエブリバディ」
「恋せぬふたり」
具体的に見た作品は、最近でいうと、「恋せぬふたり」。
この作品でアロマンティック・アセクシュアルについて知った。
こういう性的指向があることを初めてこのドラマで知って、「自分も確かに当てはまるところあるかも…」なんて考えたりしている。確かに、最近は恋愛感情の必要性についてモヤモヤすることも多かったし、友達に恋人・好きな人・いい感じの人やらがいる、っていう話を聞いていても、のめりこめないことが増えた。
別に恋愛話が嫌いなわけではないし、恋愛ドラマも恋愛映画だって見る。恋人ができないことをひがんでいるわけでもない。ただ、自分が生きている時間の中で、恋愛という要素が主軸にないのが現状。でも、それでも主軸に恋愛が存在しているのが「普通」なんだろう。特に時間のある大学生だと。
これから年を取るにつれて、こういう「普通」に苦しめられることは増えるんだろうけど、それでも私の人生の主軸は恋愛にはならないだろうなぁと思う。
そんなモヤモヤとか苦しさとかを、このドラマが優しく肯定してくれたようで嬉しかった。勿論、ドラマの中でもカズくんやら妹夫婦やら、無意識に拳を振り上げてくる人はいるけど、それでも二人が家族として幸せになってほしいなと思う。
「僕の姉ちゃん」
これは杉野遥亮くんを知った作品。友達にオススメされて見たのだけど、姉ちゃんが好きすぎて私が一緒に住みたいと思った。
弟のヘナヘナさがどこか妹である自分に被るようであり、姉ちゃんの生き方一つ一つに女性としての自分を慰められているようだった。
とにかく姉ちゃんの台詞が名言連発すぎて、もはや暴力。やめて!一回止めて!って思いながら一回停止ボタン押しながら見てた。
この姉弟の人生には恋愛が主軸の一部としてあるけど、その恋愛があくまでもコミュニケーションの延長線上に存在するものだし、姉ちゃんが「家庭的なアピールをする」女子をディスった後、ゆがいていないほうれん草を会話に入れてくるあたりはもはや愛しさしかなかった。
仲間仲間も二十歳まで
これ、2022年現在二十歳の自分は笑いながら泣きました。
名言集とかミニ本みたいなの出してくれたら保存用と持ち歩きようで二冊買うのに!なんなら布教用にも買うのに!テレ東さん出版社さんよろしくお願いいたします。
名言集めてくれた人のサイトをしょっちゅう見てはため息をついています。
「怪物」
これはわりとヨジングのキャスティングが決まってポスターが公開されたくらいから、「見ないといけないやつでは…!?」と思っていたのに、ネットフリックスジャパンさんだけなぜか配信されないという事件が起き、私がすごく文句と悪口ばかりをいうきっかけになった作品です。
というと、作品についての内容が何も伝わらないですけど、2021年の百想芸術大賞で様々賞をかっさらったサスペンスドラマです。
アマプラの配信が決まって毎日ウキウキしながら、年明けの休みで母親と共に一気見したんですけど、本当にすごくよくできた脚本と、練られまくった演出と、本当に「怪物」ともいえる俳優陣の演技……。
一点二点と転がり回る展開に、一体だれが「怪物」なのか分からない人たちに、主演二人の徐々に変わっていく関係性に…見ているうちに誰か「怪物」なのか分からず、疑いすぎて、マンネ役だったナムユンスくんを疑い始める我が家…。(あの優しそうな笑顔を利用したキャスティングだったんだろうな)
ヨジングくんが演技がうまいことは「ファイ」で分かっていたけれど、更に大人となってシンハギュンとバチバチしている姿は、まるでラップバトルでも見ているのだろうかと思いました。(?)
とにかくそれくらい俳優陣の演技が素晴らしかった。それに負けないくらい、脚本と演出が本当にすごかった。
ただサスペンスとして物語が進んでいくだけでなく、韓ドラらしく「家族」「友情」という人との繋がりについても台詞を通して描いていたけど、それでも従来の韓ドラとは違ったと思う。家族としてのコミュニケーション、地域としてのコミュニケーション、いろんな描き方をいろんな人の視点から描くのも視聴者を混乱させるためかなとも思ったし、登場人物たちがそれぞれ背負う切なさが、せつなさが……せつなすぎて……
同じサスペンスでいうと、「シグナル」はやっぱり名作だけど、「シグナル」は最後まで見切ってから、なんて名作なんだ…と身をもって感じた作品だったのに対して、「怪物」は、見ている途中からじわじわと切なさで身を削られ、もう名作だから勘弁して…と人々の幸せを願わずにいられない名作でした。
「霊魂修繕工」
「怪物」のシンハギュン熱を引きずったまま、とりあえずチョンソミンちゃんだし!と思って視聴。
これで境界性パーソナリティー障害を知った。これで自分の「気分」についてよく考えるようになった。わりと浮き沈みあるほうだなーとか、でも人と話してるときは平気になるなーとか。
話的にはヒーリング系で、特筆すべき事件が起きるとかいうわけではないけど、少しずつ変わっていくふたりと、周りの人々と…っていうのが見ていてけっこうぐっときた。心が弱くなってしまうこと、自分で自分がコントロールできなくなることがしっかりと病気であるという認識を当たり前にもってる人って、意外にもいないんじゃないかなあなんて思った。「あの人おかしいよね」で済ませることもある気がする。自分も含めて。
「メロが体質」「検索ワードを入力してください:WWW」
私は、このドラマが2021年の自分の中の新しい韓ドラの領域というか、初めて踏み入れた世界という感じだった。「女たちのドラマ」、信用しかない!と思うようになった。同時に頭と矛盾を抱えながら見ていたんだけど。
まず前提として、矛盾をいうと、邦題と日本版ポスターがクソすぎる。なぜこのポスターでオッケーが出たのか、こうしようと発案した人は誰なのか、オッケーを出した人は誰なのか。作品を見て少しでも愛情がわいたならこの邦題とポスターにはならないはずだし、特に「検索ワード」は邦題もポスターも日本に入ってきた韓ドラ史上最低レベルだと思う。作品へのリスペクトも何もないんだなって、本当に失望した。
とまあ悪口はここまでにしておいて、作品としては「メロが体質」は正直なにも文句がなかった。3人がとっても愛しかったし、弟も今彼も元カレたちも愛しかったし、サブのアシスタントちゃんたちまで丸ごと抱きしめた。ウンジョンの話は全部泣いてたし、もし私の友だちがそういう状態になってしまったら、私もそうするなと思った。最後のお別れの仕方が今まで見てきたお別れシーンでもかなり好きだったかもしれない。
40歳になれば大丈夫、ぜひやってほしいけどやらなくても3人の人生はどこかで続いてるもんね、って思える作品でした。きっと見るものなかったら何周でもすると思う。イハクジュさん(推し)もクソ元カレ役で出てるし(けっこう好き)
ところで「こじらせ女子」ってこの3人程度でこじらせ女子とかされるなら、私が30歳になる頃にはこじらせすぎてどうにかなっちゃってるんじゃないですか。(悪口)
女3人ドラマというと、「検索ワード」もとっっっってもいい作品だったんだけど、初めて「チャンギヨンの役…無理ぃ…」となって韓ドラ見てて初めて主演カップルの恋愛パートを全部飛ばすという悪行を行った。
仕事パートと恋愛パートだけ脚本・演出人全部変わったんか?ってくらい、チグハグで本当に見てるの辛かった。サブカップル2組は、ひたすらにハッピーな恋愛シーンだったり、相手の幸せをひたすら祈ってるからちょっと切ない恋愛シーンだったりしたけど、あまり飽きることもなく見れた。仕事パートの流れとキャラクターがよすぎたんだよ、このドラマは…。恋愛シーンを少しでも削って、その分をバロのチームの子たちの話に分けてほしかった。
これだけ悪く言っておいてなんだけど、決して!断じて!チャンギヨンが嫌いというわけではなくて、むしろ好きだし、「九尾の狐と危険な同居」も配信始まってすぐ見たし…。世間の評価を見ていると、年下男子のチャンギヨンにときめいている人も多いから、やっぱり私普通じゃないのかもしれない…なんてちょっと落ち込む作品でもあった。
ただ、「女たちの仕事ドラマ」として、こんなにも素晴らしいものはないと思う。2週目行くかって言われたらだいぶ迷うけど…。
「来世ではちゃんとします」
来世ちゃんの世界に生きる人達(特に桃ちゃんと松田くん)、私の人生で絶対ほぼ中心に来ないような人種だと思うのに、この2人の幸せを願わずにいられない。立場的には梅ちゃんが将来の自分のようで少し怖さもありつつ、それでも凛と生きる梅ちゃんカッコいい~となる。桧山くんは健康に長生きしてほしいし、林は近くにいたら絶対嫌いになるタイプだけど、ドラマの中だとなぜか嫌いになれない。総じて、スタジオデルタみんな丸ごと幸せになってほしい。
ドラマ版ももちろん好きなんだけど、胸をえぐられ削られ涙して、本気で他人の幸せを祈ってしまうのは漫画版。第8巻は一人で読みながらずっとめそめそ&鼻水ずびずびでした。いつまちゃんさん天才~~~。
「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」
「僕の姉ちゃん」流れで話題の最新作を視聴中。最近はもうラブコメ自体をあんまり見なくなったし、日本のこの時間帯のドラマとかは超久々~なんですけど、「白杖」「弱視」について学ぶドラマとして見ている。
実際はこんな感じに見ているよ、とか、こういう時はこうしてくれるといいよ、みたいなのを濱田さんの解説と一緒に見てると、なるほど~と勉強になる。昔、地元の駅を歩いてて白杖を使っている人が歩いてたけど、声かけるべきかな?でもいきなり声をかけたらびっくりしちゃうかな、なんて迷って何もしなかったの、未だに思い出すことがあるから、これを見たことでだいぶできることは変わってくるのかもしれない。
ただ、やっぱりすごくすごく見ながら「あーきつい…」と思うことが多くて、最終話あたりの「重荷になってない?」「あいつの方がいいんじゃないか」「近くにいたいから自分に関わるなにかを諦める」とか、その下りがなぜかすごくきつくて。なんできついのかはあんまりよくわかんないけど。あと全盲の青野君の「エロ発言」が本当に申し訳ないけど聞いててつらい。お父さんも写真家として全国飛び回ってるのかもしれないけど、家事をお姉ちゃんがほぼ全部やっててつらい。そういった小さなモヤモヤがちょっと多くて、見るスピードはかなり遅め。でも、見てよかったなと思えるドラマではある。
「カムカムエブリバディ」
お久しぶりの朝ドラ。朝起きれない生活が続いて体調が芳しくなかったので、生活リズムを整えるために見始めたんだけど、どっぷりハマりました。辛すぎ安子編、もどかしるい編を経て、ちょっとギャグ路線のひなた編。ここにきてだいぶ展開がゆっくりになったな~とは思うけど、川栄の年齢だとわりと若い間の話がメインになりそうだし、展開がゆっくりめになるのも納得かな~なんて。
安子編で超!!!久しぶりに松村北斗くんと再会し、感激し、ときめき、友達にストーンズくんたちを布教してもらっています。怖い、もう6~7年もたってるの怖い。オシャレお兄さんたちになってて泣いちゃう。私は「バカレア高校」で時が止まってるのに…(古すぎ)
次クールのアリスちゃんと北斗くんのドラマ見てぇ~!って思ったのにまた「こじらせ女子」で頭抱える。もうこれ以上私にダメージを与えないでほしい。
バカレアの少し後にジャニーズさんから離れたから、もうそんな経つんだなっていう恐怖と感動。恐怖が8割。友達に「次遊ぶ時までに空白の8年を埋めておくね」って言ったら「元カノ?」と言われました。
私は安子編の流れがそこそこ好きで、初恋の相手として花丸百点の稔さんも、旦那家から逃げたい安子も、なんか不憫なんだか自業自得なんだか分からない勇ちゃんも、連れていってくれたロバートにも、誰も責めることもできないよな~って。
るいはまだ安子に捨てられた、と思っているかなぁ。安子は隣からいなくなってしまったけど、それでも勇ちゃんはたぶん、すごくすごく気にかけてくれたとは思うけど、それでも「雉真」の家の人間だから、もう連絡は取ってないかなぁ、なんて考えてしまう。私が虹郎くん贔屓だからのもあると思うけど。
ひなた編はまだまだ始まったばかりだけど、すこ~し無神経というか、思ったことは口に出してしまうというか、無鉄砲さがちょっと危ういひなたがこれからどう安子とるいが繋げてきたものを繋げていくのか気になる。今のところ時代劇、という共通点しか継続されていないし…。
安子→るいであんこがつながったのはなるほど~と思ったけど、それでもジョーが未だ無職なのがちょっと気にはなるし(主夫ならわかるけど、そういうわけでもない)。
題名になるくらいだから、やっぱりどこかで英語講座はサァーッと回収してほしいなぁ。
「未来なんてわからなくたって、生きるのだ。」その通りです…。
*
本当は、「21,25」の2話分の感想を書こうと思って開いたのに、久しぶりにブログを書くからか見たものをつらつら悪口と一緒に述べるだけになってしまった。
ちなみに、Netflex Koreaのオリジナルに関しては結構な信頼を寄せているので、2021年のベストドラマは「D.P.」だし、「地獄が呼んでいる」も上位に入るし、「モラルセンス」も韓国映画の新しい領域開拓で新鮮&面白かったし、「今、私たちの学校は」はこれだけ若手の俳優をメインでもってこれるの本当すごいし、イヒョンちゃんはかわいいです。
「21,25」はまた別で、絶対感想書くんだ。
「どんな瞬間も絶対に幸せになりません」っていうイジンの幸せと、時代のせいでも夢を諦めないヒドを応援しています。(協賛CM?)